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Fractional CFOCapital Strategy
ROIC(投下資本利益率)
Return on Invested Capital
読み: ろいっく
定義
ROIC(Return on Invested Capital, 投下資本利益率)は、NOPAT を投下資本で割った利回り。事業に投じた資本が生む収益力を、資本構成に中立(Unlevered)な形で測る。
ROIC = NOPAT ÷ 投下資本(投下資本 = 有利子負債 + 株主資本 = 運転資本 + 固定資産)
価値創造の絶対基準:ROIC > WACC
ROIC が WACC を上回って初めて超過利潤(EVA)が生まれ、企業価値が投下資本を上回る。
EVA =(ROIC − WACC)× 投下資本
数値例:NOPAT = 70、投下資本 = 500 → ROIC = 14%。WACC = 8% なら EVA =(14% − 8%)× 500 = 30。逆に ROIC < WACC の成長は、売上が伸びても価値を破壊する。
「簿価 ROIC vs 時価 WACC」のねじれ
ROIC の分母は簿価(過去に投じた実資金)、比較対象の WACC の分母は時価(投資家が要求する機会費用)。一見不整合だが、これは意図された設計:
- ROIC を時価分母にすると、業績好調 → 株価上昇 → 分母膨張 → ROIC 低下となり、効率的市場では ROIC が WACC に張り付いて経営努力を測れなくなる。だから分母は「過去に投じた実弾(簿価)」に固定する
- 両者をつなぐのが EVA。簿価ベースのリターンが時価ベースのコストを超えた分の積み上げが、市場価値を簿価以上に押し上げる
注意:R&D・ブランドを発生時に費用処理してきた IT・製薬企業は簿価の投下資本が極端に小さく、ROIC が非現実的な高値になり WACC 比較が形骸化する。無形資産の資本化調整(adjusted IC)を検討する。
実務上の論点
- 買収後(PMI)のモニタリング KPI。買い手の投下資本にはのれん・PPA 無形資産が乗る「重い分母」となり、プレミアムを払うほど ROIC は低下する。この重い分母でも ROIC > WACC を達成できるかが買収の成否を分ける
- EBITDA を KPI にすると設備投資を過剰化させるインセンティブが働くため、ROIC と併用して規律づける