実務家の視点から読む、日本の資本イベント
適時開示・M&A ディール・資本政策の事例を素材に、CFO・投資家の実務論点を整理しています。銘柄推奨ではなく、スキーム・業界動向・論点の解説を編集方針としています。
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銀行が事業承継M&Aに本格参入:売り手が独立FAと使い分ける3つの場面
Banks Enter Succession M&A: Three Scenarios for Seller Side Advisor Choice
金融庁は2025年12月の地域金融力強化プランでM&A支援の規制緩和を打ち出し、地域金融機関の事業承継支援件数は2024年度に44,000件を超えた。銀行の本格参入で独立FAの役割はどう変わるか、売り手経営者が両者を使い分けるべき3つの場面を、金融行政の政策文書と実務慣行の両面から読み解く。
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中小M&Aガイドライン第3版:売り手が交渉前に確認する4条項
SME M&A Guideline v3: Four Clauses for Sellers to Verify
中小企業庁は2024年8月に中小M&Aガイドラインを第3版に改訂し、テール条項の範囲明示、経営者保証の原則解除、手数料の透明化、利益相反開示の強化を盛り込んだ。仲介業者のひな形契約を鵜呑みにしないために、売り手経営者が契約前に確認したい4条項を、ガイドラインの該当論点とあわせて見ていく。
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令和6年度ストックオプション税制改正——CFOが今すぐ確認すべき3つの論点
2024 Stock Option Tax Reform: Three Issues the CFO Should Verify
令和6年度税制改正により、税制適格ストックオプションの権利行使限度額が大幅に引き上げられ、社外高度人材の付与対象が拡大し、非上場段階での株式管理スキームが新設された。令和7年2月公表の「インセンティブ報酬ガイダンス」により運用の輪郭も整った。スタートアップCFOがSO設計を見直すにあたり、まず確認すべき3つの論点を挙げる。
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後継者不在率は下がっているのに休廃業は過去最多——二極化する承継市場
The Succession Paradox: Coverage Improves as Closures Hit Records
帝国データバンクの2025年調査では後継者不在率が50.1%と過去最低を更新した。一方、東京商工リサーチの集計では2024年の休廃業・解散件数が62,695件と初の6万件超を記録した。この二つのデータが両立する構造と、経営者が取るべき意思決定の順序について論じる。
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PE主導の非公開化が加速する日本株市場
Private Equity-Led Take-Privates Accelerate in Japan
2026年3〜4月の適時開示では、海外PEファンドを主体とする大型MBO/TOBが集中した。日本上場企業がいま非公開化を選ぶ動機と、対象企業に共通する構造的な特徴を読み解く。
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地銀再編第2幕:メガリージョナル化の力学
Regional Bank Consolidation: Mega-Regional Dynamics
群馬×第四北越、しずおか×名古屋、滋賀×池田泉州。株式交換による地銀統合の最終合意・基本合意・報道観測が2026年春に相次いだ。中小地銀の単独存続余地が狭まる構造的背景と、株式交換ディールの実務論点を読み解く。
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TOB→株式併合→自己株式取得:みなし配当スキームの実務整理
Deemed Dividend Scheme in Take-Privates: A Practitioner's Primer
非公開化案件で頻出する『公開買付価格より低い自己株式取得価格』の設計は、みなし配当益金不算入を活用した税効率的スキームである。KKR × 太陽HD、MBK × ソラストでの具体設計を題材に、スキーム全体像と実務論点を読み解く。