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Fractional CFOM&A Advisory
EBITDA
Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization
読み: いーびっとだー
定義
EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization)は、利払前・税引前・減価償却前利益。一般的には以下のように計算する:
EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + のれん償却費
または:
EBITDA = 当期純利益 + 支払利息 + 法人税等 + 減価償却費 + のれん償却費
実務上の位置づけ
EV/EBITDA マルチプル
M&A や上場企業の相対評価で最も頻繁に使われる指標。企業価値(EV)を EBITDA で除して、何年分の EBITDA で企業価値を回収できるかを示す。業界別のレンジ:
- SaaS:15〜30x(高成長)
- 製造業:6〜10x
- 小売:7〜12x
- 不動産・インフラ:10〜20x
調整済 EBITDA(Adjusted EBITDA)
M&A DD では、一過性費用・オーナー個人費用・非事業費用を EBITDA から加減する「Adjusted EBITDA」を算定する。調整項目の例:
- 一過性の訴訟費用、リストラ費用
- オーナー・経営陣の過大報酬
- 不要な接待交際費、私的経費
- 本社オフィスの超過スペース家賃
- Pro Forma 調整(売却対象から除く事業の損益)
Adjusted EBITDA は買い手・売り手で主張が分かれる。EBITDA 1 単位の調整が EV/EBITDA マルチプル分だけ対価に反映されるため、M&A 交渉の中心論点となる。
限界と批判
- 設備投資が大きい事業では EBITDA が実態を過大評価する。Warren Buffett が「EBITDA 教会」を批判した理由。減価償却は将来の設備更新ニーズを反映する
- 運転資本の変動を無視する。急成長で NWC が急増している事業では EBITDA と FCF が大きく乖離する
- 一時的な EBITDA 改善を永続的と誤認するリスク。コストカット・研究開発削減による EBITDA 改善は持続性がない
- IFRS 16(リース)導入後の歪み。オペレーティングリースが BS に計上され、減価償却・支払利息に分解されるため、EBITDA が増加する(実体は変わらない)
CFO・経営者視点での論点
- EBITDA Margin(EBITDA ÷ 売上高)で業界内比較。上位四分位との差を分析し、改善余地を特定
- EBITDA を KPI として経営管理に使う際の副作用。事業部責任者が設備投資を過剰に行うインセンティブが生まれる(減価償却は EBITDA に響かない)。ROIC と併用する
- M&A Exit 準備で Adjusted EBITDA を早期に整理。DD 直前に調整を主張すると、買い手から不信感を持たれる