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Capital StrategyFractional CFO
スチュワードシップ・コード
Stewardship Code
読み: すちゅわーどしっぷこーど
定義
日本版スチュワードシップ・コード(Stewardship Code)は、機関投資家に対し「投資先企業との建設的な対話(エンゲージメント)を通じて、中長期的な投資リターンの向上を図ること」を求める原則集。金融庁が 2014 年 2 月に制定し、その後 3 回の改訂を経ている。法令ではなくソフトロー(自主規制)として位置づけられるが、機関投資家の受入表明によって事実上の規律として機能する。
「スチュワード」は元来「執事」「財産管理人」を意味し、機関投資家が 最終受益者(年金加入者・投資信託受益者等)の利益のために、投資先企業に対する受託者責任を果たす という思想を体現する用語。
改訂経緯
| 改訂 | 公表日 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 制定 | 2014 年 2 月 | 7 原則。議決権行使・エンゲージメント方針の開示要求 |
| 第 1 次改訂 | 2017 年 5 月 | アセットオーナー(年金等)の関与明確化、「目的を持った対話」 |
| 第 2 次改訂 | 2020 年 3 月 | ESG を中長期企業価値の重要要素と明示、議決権行使結果の個別開示推奨強化、パッシブにも実効的エンゲージメント要求 |
| 第 3 次改訂 | 2025 年 6 月 26 日 | 協働エンゲージメントの一層の推進、コードのスリム化 |
コーポレートガバナンス・コードとの関係
2015 年 6 月制定の コーポレートガバナンス・コード(CG Code) と対をなし、「ツイン・コード」体制を形成。SS Code が投資家側の規律を、CG Code が企業側の規律を定めることで、両者の建設的対話を促す設計になっている。
- SS Code(金融庁主導):機関投資家の受託者責任、議決権行使、エンゲージメント
- CG Code(東証+金融庁):取締役会の独立性、政策保有縮減、資本効率、開示
両コードは「コンプライ・オア・エクスプレイン」(原則を遵守するか、しない場合は理由を説明する)原則で運用される。
令和 6 年金商法改正との連動
2026 年 5 月 1 日施行の 大量保有報告制度 改正では、機関投資家どうしの協働エンゲージメントが 共同保有者 認定リスクを免れるための「適用除外」が法制度として整備された。これは SS Code の建設的対話を 法制度で裏打ち する位置づけで、12 年間の制度パッケージの一里塚と読める。
逆に、機関投資家がエンゲージメントの一環として行う 重要提案行為等 は引き続き明確に対象化されており、SS Code は「建設的関与」と「敵対的・短期的アクティビズム」を分ける制度的線引きとして機能する。
CFO・経営者視点での論点
- 機関投資家の議決権行使方針の精読:自社の主要機関投資家(GPIF・運用大手・海外パッシブ等)の議決権行使ガイドラインを年次で点検し、自社の総会議案がどう判定されるかを予測する
- エンゲージメント受入体制:誰が窓口になり、どこまで開示するか、議事録をどう残すかを取締役会承認の形で整える。改正後は協働エンゲージメントが増加する想定
- 形式主義化批判への内部点検:SS Code・CG Code への対応が「形式コンプライ」に終始していないか、CG レポートの「説明」の質が機関投資家視点で説得力があるかを定期点検