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M&A AdvisoryCapital Strategy
重要提案行為等
Important Proposal Conduct
読み: じゅうようていあんこういとう
定義
重要提案行為等は、大量保有報告書に記載すべき保有者の行為類型のうち、経営に対する関与度が特に高い と認定されるもの。金融商品取引法施行令 第 14 条の 8 の 2 で類型が列挙されており、要約すると以下のとおり:
- 役員人事:取締役・監査役の選任/解任、代表取締役の選定/解職、報酬決定
- 組織再編:合併、会社分割、株式交換・移転、事業譲渡・譲受
- 資本政策:株式併合・分割、新株発行(第三者割当含む)、自己株式取得
- 配当・剰余金処分:配当方針の変更、配当額の決定への関与
- 定款変更:事業目的・機関設計・株式関連条項の変更
- 解散・上場廃止:会社解散、上場廃止、市場区分変更
- 重要な財産・借財:重要な資産の処分・譲受、多額の借財
- 子会社管理に重要な影響を及ぼす事項
「あり」と申告した場合の規制上の効果
「重要提案行為等を行う目的」で大量保有報告書に記載した場合、以下の不利益が発生する:
- (a) 特例報告制度の不適用:機関投資家(運用会社・年金等)が通常使える簡易な「特例報告」(基準日方式・月次まとめ報告)が使えず、一般報告(5% 超え時点から 5 営業日以内・1% 変動ごとに変更報告)が強制される。機動的な売買が事実上困難に
- (b) 共同保有者認定リスクの増大:他のアクティビストファンドと連携していると見なされやすく、合算報告義務発生のリスクが上がる
- (c) 経営側・市場からの監視強化:会社側から敵対的扱いを受け対話拒否されやすくなり、規制当局・取引所の monitoring も強まる
なお、これとは別に 金商法第 164 条の短期売買差益返還規定(主要株主= 10% 以上保有者の 6 ヶ月以内売買利益を会社に返還させる制度)が独立に適用されるため、両者の混同に注意。
令和 6 年改正での範囲変更
金融庁「重要提案行為等・共同保有者に関する法令・Q&A 等の整理」(2025 年 8 月 26 日) により、改正後の範囲は以下のとおり明確化された:
- 追加:「特定の者を指定した役員の選任」(自ら又は自らが指定する者の選任に係る役員選任を求める行為)— 近年のアクティビスト戦術の中核である取締役選任議案を明示的に対象化
- 除外:「重要な使用人の選任・解任」「支店等の重要な組織の設置・変更・廃止」— 業務執行レベル事項として範囲縮小
- 維持:役員選任(一般)・組織再編・資本政策・定款変更・解散・上場廃止・配当方針 等
結果として、改正は 株主総会決議事項に直接結びつく行為に範囲を絞り込み、grey zone を縮小する方向の整理となった。
実務上の論点
- 株主提案権の行使は明確に該当(例外なし)
- 議決権行使方針の事前公表は単独行為としては非該当だが、他株主と連携する場合は協働エンゲージメント適用除外の要件判定へ
- 1 対 1 の私的対話で一般的な経営改善を求める行為は非該当。ただし具体的議案として提示した時点で該当へ転化
- 公開書簡・メディアキャンペーンは内容が組織再編・役員人事に踏み込めば該当する可能性