← Glossary
M&A AdvisoryFractional CFO
PER(株価収益率)
Price Earnings Ratio
読み: ぴーいーあーる
定義
PER(Price Earnings Ratio, 株価収益率)は、株式時価総額を当期純利益で割ったマルチプル(1 株では株価 ÷ EPS)。株主に帰属する利益の何倍の値札がついているかを示す。分子(株式時価総額)も分母(利払い後の当期純利益)も株主だけに帰属し、帰属先が揃う。
なぜレバレッジで歪むのか(数値例)
事業も収益力も同じで、資本構成だけが違う 2 社を並べる。両社 EBITDA = 100、市場は事業を EV/EBITDA 8 倍と評価(EV = 800)。
| C社(無借金) | D社(純有利子負債 400・金利 5%) | |
|---|---|---|
| EBIT | 80 | 80 |
| − 支払利息 | 0 | 20 |
| 当期純利益(税率 30%) | 56 | 42 |
| 株式価値(= EV − 純有利子負債) | 800 | 400 |
| PER | 800 ÷ 56 ≒ 14.3 倍 | 400 ÷ 42 ≒ 9.5 倍 |
事業はまったく同じなのに PER が 14.3 倍と 9.5 倍。D社が割安だからではなく、PER が資本構成(レバレッジ)を映してしまう指標だから。EV/EBITDA はレバレッジ中立の水準で測るためこの歪みを受けない。
実務上の論点
- 鉄則:借入の多寡が違う会社どうしを比べるなら EV 系マルチプルを優先。PER は補助に回す
- 一時損益でも歪む。減損・訴訟費用などの一過性項目は正常化した純利益に直す
- 銀行・保険では主役。EV の概念が成立しない金融機関では PBR × ROE と並んで株主価値ベースの PER が中心
- 成長率のばらつきが大きいセクターでは、PEG(PER ÷ 期待 EPS 成長率)で成長込みに読み替えて補正する