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M&A AdvisoryFractional CFO
持分法
Equity Method
読み: もちぶんほう
定義
持分法(Equity Method)は、投資会社が被投資会社の純資産・純利益の変動を、投資勘定の修正を通じて連結決算に反映する会計処理。被投資会社の損益計算書・貸借対照表の個別項目は連結しない(連結とは異なる)。
適用対象:
- 関連会社 — 議決権の 20% 以上 50% 以下を保有し、重要な影響力を行使しうる
- 非連結子会社のうち、一定の例外
- 共同支配企業(持分法または比例連結のいずれか選択)
会計基準上の位置づけ
日本基準:企業会計基準第16号「持分法に関する会計基準」、連結財務諸表に関する会計基準。
IFRS:IAS 28「関連会社及び共同支配企業に対する投資」。
主要な処理:
- 投資直後:取得原価で投資を計上
- 各期末:被投資会社の純利益 × 持分比率を「持分法による投資損益」として計上、投資勘定を増減
- 配当受領:投資勘定を減額(損益は認識しない)
- 取得時価差額(のれん相当):20 年以内の均等償却(日本基準)/非償却・減損テスト(IFRS)
実務上の論点
- 支配 vs 重要な影響の判定。議決権比率だけでなく、取締役派遣、技術・資金依存、重要契約の存在、業務提携関係等を総合的に判断する(実質支配力基準)
- 持分法から連結への移行 / 連結から持分法への移行。段階取得・一部売却時の会計処理、のれんの取扱い
- 持分法適用会社の業績変動が連結業績に与える影響。IRR の低い JV に出資しているとグループの ROE を押し下げる
- 開示の少なさ。持分法適用会社の個別項目(売上・原価・負債)は連結財務諸表に現れない。投資先の実態把握には注記・補足情報の確認が必要
M&A における位置づけ
- 段階取得(20% → 51%)で持分法から連結に切り替える場合、既存持分を公正価値で評価替え、損益認識する(日本基準・IFRS)
- JV・戦略的投資で 20〜49% を取得するケースは持分法適用となる。のれん・PPA(Purchase Price Allocation)は簡略化された手続で実施
- 売却時:連結子会社が持分法適用関連会社に降格する場合、残存持分の公正価値評価が必要