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Capital Strategy

種類株式

Class Shares

読み: しゅるいかぶしき

定義

種類株式(Class Shares)は、普通株式と異なる権利内容を付与された株式。会社法第108条第1項は以下の 9 種類を列挙する:

  1. 剰余金の配当(配当優先株式等)
  2. 残余財産の分配(清算優先株式等)
  3. 議決権制限(無議決権株式等)
  4. 譲渡制限
  5. 取得請求権付(株主が会社に買取請求できる)
  6. 取得条項付(会社が一定事由で取得できる)
  7. 全部取得条項付(株主総会決議で全部を取得)
  8. 拒否権付(種類株主総会の承認を要する事項を設定、黄金株)
  9. 役員選任権付(非公開会社のみ)

会計・税務・法制度上の位置づけ

定款定め・登記:種類株式の発行には定款変更(特別決議)と登記が必要。発行済株式の内容・数、種類株主総会の決議方法等を定款に明記。

会計処理:日本基準では種類株式も原則として資本金・資本剰余金に計上するが、償還型・負債性の強い種類株式(例:取得請求権付で事実上の負債)は、純粋な負債項目として分類される場合がある(IFRS では IAS 32 により明確に負債と区分)。

税制:種類株式の発行・転換・償還は、原則として株式の交付・取得として税務上中立。ただし、不公正な条件での発行は有利発行課税(所得税法、法人税法)の対象となる。相続税評価では、無議決権株式に対する 5% の評価減の取扱いがある。

実務上の類型

  • 優先株式(スタートアップ投資)— 残余財産分配優先、参加型/非参加型、配当優先、転換権、希薄化防止条項の組合せ
  • 無議決権株式(事業承継)— 後継者に議決権、他の相続人に無議決権+配当優先を配分して議決権を集中
  • 拒否権付株式 / 黄金株(敵対的買収防衛)— 国策企業や同族会社で、重要事項に創業者・親会社の拒否権を確保
  • 取得請求権付株式 / 取得条項付株式(IPO 対応)— IPO 時に普通株式に強制転換する条項
  • トラッキング・ストック(事業別業績連動)— 国内では発行例は限定的

CFO・経営者視点での論点

  • 設計の複雑性。9 種類の組合せで多様な経済効果を実現できる反面、将来の株主構成変動・IPO・M&A で整理困難になるリスク。シンプルな設計が長期的には有利
  • 優先株式の清算優先条項。1x/2x Non-Participating、Participating with Cap 等の設計が経営陣・普通株主の Exit 時の取り分を左右する
  • IPO 時の普通株式への転換。取引所上場審査では原則として種類株式は普通株式に強制転換する設計が求められる(東証グロース上場審査基準)。転換比率の調整条項を事前に設計
  • 少数株主対策としての全部取得条項付株式。キャッシュアウト(スクイーズアウト)の手段として用いるが、株主平等の原則との整合・公正な価格の確保が論点

関連用語