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Fractional CFO
キャッシュランウェイ
Cash Runway
読み: きゃっしゅらんうぇい
定義
キャッシュランウェイ(Cash Runway)は、現在の手元現金残高を月次の現金支出超過額(Burn Rate)で除した期間。営業キャッシュフローが赤字のスタートアップ・成長企業で、資金が枯渇するまでの期間を示す。
Runway(月数)= 手元現金残高 ÷ 月次ネット・バーンレート
Burn Rate の種類:
- Gross Burn Rate — 月次の総現金支出(売上に関わらず)
- Net Burn Rate — 月次の総現金支出 − 月次の総現金収入
- Runway の計算には Net Burn Rate を用いるのが一般的
実務上の位置づけ
スタートアップ投資家(VC)の Due Diligence で必ず確認する指標。一般的な目安:
- 12〜18 ヶ月:次回ラウンド調達の標準的なバッファ
- 6 ヶ月未満:Distress Round(不利な条件での緊急調達)リスクが高い
- 24 ヶ月以上:保守的な経営、または直近ラウンドで過大調達
不確実性の高い市場環境(例:2022年後半以降のベンチャー市場冷え込み)では、Runway 目標を 24〜36 ヶ月に長期化することが多い。
CFO・経営者視点での論点
- Runway 短縮のトリガーを定義。Runway が 9 ヶ月を切ったら採用凍結、6 ヶ月を切ったらリストラ検討、など予め意思決定ルールを敷く
- Fundraising Runway(調達に要する期間)を考慮。調達プロセスは通常 3〜6 ヶ月、DD・契約を含めると 9 ヶ月かかることも。Runway がこれを下回る前に調達開始
- 複数シナリオの Runway。Base / Bear / Bull で Burn Rate が変動するため、複数ケースでの Runway を常に更新
- 非現金的な費用との峻別。減価償却・株式報酬費用は現金支出ではない。P/L の赤字 ≠ 現金流出
- 支出の可変性・固定性。人件費・オフィス等の固定費、広告・R&D 等の可変費を分けて管理し、急縮小時のシナリオを検討
関連指標
- Zero Cash Date — 現在のペースでの現金枯渇予想日
- Default Alive / Default Dead(Paul Graham)— 外部資金なしで黒字化できるかの判定
- Rule of 40(SaaS)— 売上成長率 + 利益率 ≥ 40% であれば、Burn は正当化される