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M&A Advisory
ブレークアップフィー
Break-up Fee
読み: ぶれーくあっぷふぃー
定義
ブレークアップフィー(Break-up Fee, Break Fee, Termination Fee)は、M&A 契約の成立後に一定の事由で取引が不成立となった場合に、一方当事者が他方に支払う金員。事実上の違約金として機能する。
典型的な発動事由:
- 売り手側の取締役会が対抗買収提案を受諾した場合
- 買い手側のファイナンス未達による履行不能
- 所定期間内にクロージング条件が充足されなかった場合
- 一方当事者の重大な契約違反
リバース・ブレークアップフィー(Reverse Break Fee)は買い手側の義務として設定され、独禁法クリアランス未取得・ファイナンス未達を原因とするキャンセル時に発動する。
実務上の位置づけ
米国では対象企業価値の 3〜5% 程度が標準。日本では公開買付案件での上場会社の取締役会の善管注意義務との関係(いわゆる Fiduciary Out の確保)が論点となり、水準は米国より低めに設定される傾向。
日本の公開買付制度下では、対抗買収提案が現れた場合の取締役会の行動規範(対抗提案を株主に提示する義務等)との整合性を契約で明示する。
実務上の論点
- Fiduciary Out 条項とセットで設計する。売り手取締役会が株主の利益のために対抗提案を受諾することが許容される代わりに、ブレークアップフィーを支払う構造
- 金額水準と法的有効性。違約金として著しく高額な場合、日本法下では損害賠償額の予定(民法第420条)として減額可能性が議論される
- 日本のミッドマーケット・非上場 M&A では採用例が限定的。独占交渉権違反時の費用償還(Cost Reimbursement)という形の緩やかな規律に留まることが多い